リポソームの合成と分析

リポソーム
リポソーム 模式図

このページでは、リポソーム合成と、DLS及び、個数カウント装置を用いた分析のアプリケーションをご紹介します。リポソームは、リン脂質で作られた球状の人工的な粒子で、主に医薬品や化粧品産業で使用します。最近ではリポソーム内部に薬剤を封入することで、ドラッグデリバリーシステムの担体としても用いられています。

 

リポソームの合成・調製では、成分の調製以外にも、サイズコントロールが重要です。例えば、腫瘍組織へ薬剤を送達する場合に、正常組織との血管サイズの違いを利用します。

 

一般に数100nmのリポソームの平均粒子径の分析にはDLS(動的光散乱)を用います。またより大きなサイズのリポソームの分析、あるいは、一定サイズ以上のリポソーム粒子の判別には、光学的な個数カウント法も用います。



マイクロフルイダイザー

高圧ホモジナイザー、マイクロフルイダイザーは、簡便かつ迅速なリポソーム調製を可能とします。

 

一般的なホモジナイザーにない特徴として、サンプルに一定圧を作用させ続けるため、均一な粒子径分布をもつサンプルが得られるというものがあります。

 

またマイクロフルイダイザーはスケールアップ性に優れた装置でもあります。ラボで合成したリポソームと同じファクターでリポソーム製剤を合成することも可能です。

リポソーム調製装置
リポソーム調製装置 マイクロフルイダイザー


Nicomp DLS システム

 

高分解能DLS(動的光散乱)システムNicomp N3000は、最少0.5nmからの粒子サイズ測定を可能にしたDLSです。独自の分析アルゴリズム、多角度検出器の搭載などにより、数十nmから数百nmのリポソームの平均粒子径の分析に最適な手法です。

 

弊社ではアプリケーションノートも用意しておりますので、ご興味のある方は是非ご覧ください。日本語版は弊社までお問い合わせください。

動的光散乱 DLS
DLS NicompN3000


AccuSizer A7000 AD

 

AccuSizeは光学的単一粒子測定法(SPOS)を用いた粒度分布・粒子サイズ測定装置です。SPOS法は、粒子を1個1個測定することにより、分解能の高い粒度分布の情報を得ることができます。

 

この装置は、自動希釈機構を備え、比較的濃い濃度の水系の粒子の粒度分布を精度よく測定することができます。

 

大きな平均粒子径をもつリポソームや、リポソームの粗大粒子の測定に最適な装置です。

リポソーム 粒度分布
AccuSizer A7000 リポソーム 測定装置


リポソーム調製

高圧ホモジナイザー処理数
リポソーム マイクロフルイダイザー処理数

左の図は、ある組成のリポソーム前駆体(HSPC: Cholesterol: MPEG-DSPE = 3:1:1)を50mMで溶解し、25,000psi でマイクロフルイダイザー処理したものです。

 

これらは同じ濃度のリポソームですが、初めは白濁していたサンプルが、数回のマイクロフルイダイザー処理で半透明な溶液に変わっています。

 

リポソームのサイズが小さくなると、光が散乱されず、直進するようになりますので、視覚的にも粒子径が減少している様子が判ります。

 


測定事例

リポソーム DLS
リポソーム DLSによる平均粒子径分析
リポソーム SPOS AccuSizer
リポソーム SPOSによる大粒子濃度分析

これらの図は、調製したリポソームの平均粒子径をDLS(Nicomp)で、粗大粒子数をSPOS(AccuSizer)で測定したものです。プレミックスでは200nm(紫)だったリポソームの平均粒子径が、50nm程度まで減少しています。また1μm以上の粗大粒子の濃度も減少しています。仮に平均粒子径100nmのリポソームが必要であれば、わずか3回(黒)の処理で目標を達成できることになります。